インドでジュエリーデザイナーになるということ

インドジュエリー原型

インドジュエリー原型学校の生徒がデザインしたジュエリーの原型です。インドらしく、ガネ―シャ。

インドでジュエリーデザイナーになるということは、どういうことなのか?そんなことが少しずつ見えてきた今日この頃です。

インドでは、手書きでデザインを作るジュエリーデザイナーとCADでデザイン画をデジタル化するCAD技師の分業が進んでいることは、前回の記事で触れたが、インドにおける「ジュエリーができるまで」は、正に工場のアセンブリーラインのようだと感じる。

まず、ジュエリーの企画製造には、発注元の顧客が存在するわけだが、顧客に対する窓口となるのは、マーチャンダイザーと呼ばれる企画担当者である。マーチャンダイザーの仕事は、顧客の要望を吸い上げ、提案を行うことであり、顧客とのやり取りは、全て彼らが担当することになる。

吸い上げられた顧客の要望は、デザインチームに回され、デザイナーはその要望をもとにデザインのコンセプト(ラフスケッチ等)を作成する。この時、ケースバイケースではあるが、1つの依頼につき30~50のコンセプトが求められる。もちろん、全てがユニークな(独立した)コンセプトとは限らず、一つのコンセプトに複数のバリエーションを持たせることも多いが、とにかく顧客の目にとまるようなコンセプトを提供するのがデザイナーの役割となる。

顧客の目にとまったコンセプトには、何回かの修正が入り、その後、デザインチームによって、最終的に採用されたコンセプトをもとに本格的なデザイン画が提案用に作成される。このデザインをベースとして、マーチャンダイザーがコストの見積もりを行い、ここをこうするとコストが下げられます、といった修正提案を顧客にする。

最終的なデザインが決定し、価格交渉が成立した後、顧客は正式発注を行い、最終デザインがCADチームに送られる。その後は、電子化されたデザイン(3D)をもとに実際の製造工程に入っていく。

お気づきかと思うが、このプロセスの中で、デザイナーは一度も生の顧客の声を聞いていない。マーチャンダイザーに、ああしろ、こうしろと言われてコンセプトを作ったり、デザインを描いたりするだけだ。そればかりか、最終的にどのデザインが採用され、製造されることになったのかは、デザイナーには知らされない場合が多い。量産したデザインのうち一つでも採用されたかどうかも知らされない場合が多いのだ。

小売機能を持ったジュエリー企業のインハウスデザイナーであれば、企画チームが決定したテーマに沿ってコンセプト作りを行っていく。なぜ、そのテーマなのか。誰をターゲットにしたテーマなのか。やはり、デザインと実際のユーザーとのリンクが途切れているのだ。

自分がデザインしたジュエリーをどんな人が、どんな時に、どんな気持ちでつけているのか。そんなことを想像しながらデザインするのではなく、ジュエリーデザイナーは大抵、期日に追われながら、ひたすら数をこなすことになる。

もちろん、中には名前が売れているデザイナーもいるし、需要が高いデザイナーもいる。しかし、そういったデザイナーはごく一握りで、一般的に、インドでジュエリーデザイナーはコモディティ化していると言える。

企業に雇用されているデザイナーの他に、フリーランスで活動するデザイナーも多くいて、ひたすらデザイン画を送り、1枚いくら(低価ではあるが)で買い取ってもらえればいいが、企業側からは何のフィードバックももらえない場合も多い。

そんなインドのジュエリーデザイナーライフを、私も垣間見ることになるのであった…

つづく

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